『さよならインターネット』

家入一真さんといえば、レンタルサーバー「ロリポップ」の創業者というイメージと、都知事選に立候補してそこそこ票を集めた人という印象です。

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その彼が、自らのインターネットととの関わりを振り返りつつ、インターネットとちょっと距離を置くことを提言する、といった感じの本ということになるのでしょうか。

インターネットという広大な世界とは裏腹に、SNSやキュレーションサービスの多用により、インターネットに常時つながっている人たちは、自分の興味、関心に関係する「インターネットにおすすめされた世界」に狭小化されつつあることへの警鐘を鳴らしつつ、あえてオフラインの世界へ飛び出して偶然やリアルな体験を通して考え、さらに受ける側だけでなく、自らが提供する視点(プラットフォーマー視点)で行動しよう、と説かれているのだと感じました。

たしかにSNSなどでは、自分の関心のあるテーマに関する人をフォローすることが多いでしょうし、SNS側からもそういうユーザーをおすすめされます。また、ショッピングサイトもニュースサイトも使えば使うほど自分の世界になっていきます。それはそれで便利ですが、そればかりだと世界が狭くなってしまう一方ではないか、というわけです。

よく言われることではありますが、本を買うにしても実際の書店に行って本棚を眺めたり、平積みの本などを見てまわっていると思わぬ発見があったりします。そういった偶然の出会いにより、いままで知らなかった世界が広がることだってあるかもしれません。

ま、わたしの場合は、そんなにSNSどっぷりというわけでもなく、散歩好きな性格なものですから、しょっちゅう出歩いていて小さな偶然の発見であれば日常生活の中に自然にあります。したがって著者の書かれているようなインターネットにより自分の世界が狭くなっているという感覚はあまりありません(もともと友人が少ないのでリアルな世界そのものが狭いということはあるかもしれませんが…)。

わたしがこの本でもっとも共感したのは、あとがきでで触れている、

『働き方』ではなく『生き方』を志向する人は着実に増えてきている

という点です。

これはSNSなどのタイムラインに仕事に関する話題が多いことを受けて、働くことの先にある承認欲求の価値が肥大化しているのではないかと考える一方で、そういったことに対する、著者が提供しているシェアハウス「リバ邸」に住むネットネイティブな若者たちの様子を見て著者が思ったこととして書かれてます。

あたりまえのことかもしれませんが、多くの人にとって「生きるために働く」のであって「働くために生きる」わけではないのではないかと思います。であれば、自分が「どう生きたいか」を考えた上で「働き方」を選べることが理想的ですよね。もちろん、それほど「働き方」が簡単に選べるほど恵まれた世の中ではないとは思いますが、そういう世界になっていかないと未来はどんどん暗くなっていきそうな気がするのです。

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