『いま世界の哲学者が考えていること』(岡本裕一朗著)を読みました。
以前、「クローズアップ現代+」で観た『サピエンス全史』をamazonで見ると、「よく一緒に購入されている商品」に、この本が表示されています。
現代哲学者カタログ
IT革命、バイオテクノロジー、資本主義、宗教、環境などの現代社会が抱える諸問題について、哲学者がこれまでどう取り組んできたかを振り返りつつ、現代の哲学者(一部、社会学者、経済学者なども)がどのように考えているか、というタイトルどおりの本です。
人類の諸問題とそれに対峙する哲学者カタログ的な感じでしょうか。
わたしの読みかた
世界で起こっていることをざっくり知る
わたしは哲学に詳しいわけではないので、哲学的な部分についてはよくわかりません。
ただ、本書は哲学者の考えを記すために、前述のような諸問題の現状についても書かれているので、どちらかというと「いま世界で何が起こっているか」をざっくり知るための本として読みました。
こういった諸問題について、テレビのニュースなどで部分的にしか触れてこなかったわたしにとっては、その背景にあるものや将来への課題などを知る良い機会となりました。
もちろん本書は、各問題について哲学者がどう考えているか、ということが本題ですので、問題そのものについての説明は浅いです。しかし逆にそれが、ざっと俯瞰するにはちょうどいい感じでした。
考えさせられる点のメモ
以下、本書を読んで「う~む」と感じた主な箇所とキーワードを記しておきます。
- 人工知能はいずれ人間に対抗するか
自律学習することで人間の知能を超えつつある。さらに人間から自立してモノ同士で勝手にコミュニケーション(IoT)できるようになってきた。 - 生命科学と遺伝子工学の発展により次世代人間が誕生するか
ポストヒューマン - 資本主義はイノベーションによって成功することにより自らを滅ぼすか
シュムペーターの予言の実現 - 環境問題の優先順位は人類が抱えている他の諸問題に比べるとかなり低い
ディープ・エコロジー 対 コペンハーゲン・コンセンサス
なんだかSFっぽいところもありますし、以前から話題になっているようなこともありますが、こういった動きや主張があり、可能性としてもそれなりにありうるものとして捉えられつつあるようです。
2つめのポストヒューマンは、『サピエンス全史』でいうところの「超サピエンス」のようなものでしょうか。
4つめの環境問題は、トランプ次期大統領の環境問題へのスタンス(地球温暖化を否定)と通ずるところがあるように感じます。
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