『老後とピアノ』(稲垣えみ子著)を読みました。
著者は私とほぼ同年代で50歳で会社を辞めて、いろいろ特徴的な生活をされている人でときどきテレビでも見かけます。生活だけじゃなく見た目にもアフロヘアーというインパクトが強いので一度見たら忘れない人です。
その著者が53歳でふとしたきっかけでピアノを始めることになり、その顛末を記したのがこの本。
年代もさることながら、会社を辞めた時期やピアノを始めた時期など似ていることから、以前から興味があったんですが、けっこう人気の本で図書館でかなり前に予約したやつがようやく順番が回ってきて読むことができました。
いろいろ似ているとは書きましたが著者は、
・ピアノの先生(それもプロピアニスト)がついてる
・基本的に生ピアノ(not 電子ピアノ)で練習している
・弾くのはクラシック音楽
などいろいろ違う部分もあったりますが、本に書かれてる80%は「そうそうそうなんだよねーっ」と膝を打つとこだらけ。
・早くうまくなりたいがために練習時間をとりまくる
・ふだんから体が緊張しながら練習してここぞというときにやはり失敗する
・脱力のために体の使い方を考える
・たまたま脱力して弾けた時の快感
・ピアノ曲ばかり聴くようになる
あたりはまさにドンピシャ。
ちなみに、この本で参考文献として記載されている3冊のうち『ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』と『ピアニストの脳を科学する 超絶技巧のメカニズム』はわたしも過去に読んでます。
最後の方に発表会に向けて「いつもと違う練習」をしてみるとして、
・運指を適当にやらない
・ゆっくり練習
・徹底して力まない練習
は、わたしもしばらく前から、やみくもに練習しても上達しないということを思い知ったあたりから取り組んでること。
わたしのようにある程度歳をとってからピアノを始めて、なかなか上達せずに「なんのためにピアノをやっているのか?」と思ってしまうことのあるような人に勧めたい本でした。