『ほがらか人生相談』

『ほがらか人生相談』(鴻上尚史著)を読みました。

ことしの10月にNHKの朝の情報番組「あさイチ」で紹介され、かなり良さげな感じだったので、さっそく図書館で予約したやつがようやく回ってきました。

「一冊の本」という月刊誌の同名の連載から編集されたもので、その連載の一部はアエラドットというサイトにも期限付きで掲載されてます。

内容的には、一般投稿による相談に著者が答えるというシンプルな人生相談ですが、著者自身の劇団運営や留学経験などに基づいた回答が、テレビで見る鴻上さん独特のやわらかい語り口でつづられています。

寄せられてる相談は夫婦、親子、いじめ、恋愛、偏見など、タイトルの「ほがらか」とはかけ離れたディープなものもけっこうありますが、それをほがらかに回答していく感じ。

人間関係の相談が多いですが、鴻上さんのスタンスは一貫して相談者の悩みを対象化して自ら解決するためのアドバイスをするということでしょう。決して押しつけがましくなく、別の視点を提供することで。

この「別の視点」が、同調圧力、自損意識、所与性、多様性、世間、発達障害、ヘイトなどに関する諸問題に関する著者ならではの解説としても読むことができるのではないかと。

自分はもともと人生相談コーナーなどはほとんど目を通すことはなく、社会との接点が少ないリタイア者には気にすべき人間関係も少ないですが、これはこれでリアルな社会を感じるのにいいのではないかと。

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