昨晩のNHKの クローズアップ現代+『”幸福”を探して 人類250万年の旅』を観ました。
ちなみにサブタイトルは「~リーダーたちも注目!世界的ベストセラー~」です。
『サピエンス全史』をもとにした番組
サブタイトルにある世界的ベストセラーとは、イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリさんが書かれた『サピエンス全史』です。
amazonで1位の600ページの本
amazonでは昨日の放送の影響のせいか、1月4日の午前中は200位台だったのが、本稿執筆時点で「本の売れ筋ランキング」が1位になってます。
わたしはこの本の存在を知らなかったので読んでませんが、この本は上下巻に分かれており、合わせて約600ページ(電子書籍の合本版だと467ページ)もあるようです。
番組では
600ページの内容を25分の番組で詳しくやるのはさすがに難しいと思うので、超ダイジェスト版といったところでしょうか。
この本の要旨を紹介しつつ、各界の専門家の意見や池上彰さんが著者本人にインタビューしながら進んでいくというものでした。
フィクションを信じる力
この番組を観る限りでは、この本の重要なキーワードのひとつに「フィクション」があるようです。番組内のナレーションで、下記のようなことが語られていました。
お金、会社、国家、法律、正義、神などは、みんなが「ある」と信じているから成り立つもの。そしてそうした「フィクションを信じる力」こそが人類が繁栄したカギである。
つまり、人類の歴史は、それぞれの時代のフィクションを信じることによって発展してきたが、その発展は必ずしも人々を幸せにはしてこなかった、むしろ一人ひとりは不幸になっている、と。
現代においても
そして現代においても、資本主義の経済規模は500年前よりはるかに大きくなったが、そのパイの分配が不公平すぎて、途上国では懸命に働いても入手できる食料は500年前の祖先よりも少ないなど、グローバル経済の発展は必ずしも人々を幸せにはしていないどころか、貧富の差が広がっていくと。
で、いま必要なのは新たなイノベーションであると。
そんなに新しいことではないかも
お金については、ただの紙切れや金属が信用で成り立っていることは、昔から語られてきたことですし、国家や法律なども大なり小なり、ある意味同じように捉えられていたことではないかと思います。
また、貧富の差の拡大についても、論旨は違うかもしれませんがトマ・ピケティさんの『21世紀の資本』でも触れられて話題になったのも記憶に新しいところです。
番組の中でも触れられていましたが、この本の画期的な点は「一人ひとりの幸せから歴史を考える視点」ということなのでしょう。
これが時代が変わる機運か
ピケティさんの本も含めてこういった本がこれだけ売れているということが、イギリスのEU離脱やトランプ大統領の誕生、ヨーロッパ各国の保護主義派の台頭など、いまの時代の閉塞感とそのマグマが着実に貯まりつつあることを反映していて、いよいよなにかが変わろうとしているのかな、と感じるのでした。
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