『年収90万円で東京ハッピーライフ』を読みました。
著者は20代で隠居
本書の著者:大原扁理さんは1985年生まれとのことなので現在30歳くらいで、週2日介護の仕事をしながら、東京の市部で悠々自適に暮らされているようです。
わたしは以前、著者の前作『20代で隠居 週休5日の快適生活』も読んでます。
隠居といえば、わたしもリタイアして隠居の身ではありますが50代前半、なにせ著者は20代中盤で隠居した30歳です。
本書には、玄米食や散歩の話、節約志向の考え方、死生観など、共感できる部分は多々あるのですが、わたしが30歳のころ、これだけの行動力はなかったであろうことを考えると、この年齢にして、これだけの生活を確立し、さらに本にまでしてしまうところがすごいです。
なぜに、そこにいたったのか
本書では、第一章の「フツーって、何?」で、著者自身の幼少~青年期の経験などをもとにマイノリティ的な視点から、世間の常識や同調圧力などについて疑問を投げかけています。
ここに、著者が20代という若さで隠居するという、ある種のマイノリティとして生きるにいたったバックボーンをうかがうことができます。
とくに「いじめ」については、本書で何度か出てくることから、そのころの経験そのものと、その経験により自身が考えて行動したことが、その後の生き方などに大きく影響しているように感じました。
さらに、第四章の「毎日のハッピー思考術」では、お金や仕事、趣味や将来のこと、死生観などについて書かれているのですが、この趣味~死生観に至るまでに流れている雰囲気が、これが30歳で考えていうくらい老成している感じがして、達観というか諦観というか、もはや仙人のようですらあります。
「いま」が苦しいと感じる人に
本著は前著同様、隠居生活の暮らしぶりについて衣食住を中心に書かれている面もあり、その具体的なノウハウ的な部分も多いのですが、暮らしぶりの部分は前著と被るところもわりとあるように感じました。
一方、上記の第一章と第四章については、ノウハウというより考え方に重きがおかれており、これが前著と大きく違う部分でもあり、著者が本書でもっとも伝えたかったことであろうと想像します。
この第一章と第四章は、本書に書かれているような生活をしたいかどうかというより、現在の環境に苦しみつつ頑張っている方々に一読の価値があるのではないかと思います。
文章のタッチが軽く内容が内容だけに、ふざけているように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、いまいる場所を別の視点から見るきっかけになるかもしれません。
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