いつもの英語学習の備忘です。
素朴な疑問
先日までやっていた『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』(森沢洋介著)に下記のような例文がありました。
(昨日わたしは疲れていました。)
They were surprised to see the big building.
(その大きな建物を見て彼らは驚きました。)
That is the village that he was born.
(あれは彼が生まれた村です。)
また、いまやっている『みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング』(森沢洋介著)にも下記のような例文があります。
(私は幸せな結婚生活を送っていて、)
I am often exhausted.
(しばしば私は疲れ切っています。)
いずれも文の形としては、be動詞+過去分詞で受動文ですが、訳は受動的ではないですね。
『一億人の英文法』で解決
上記の例文について、わたしはなんとなく引っかかりつつも、まあそんなものなんだろうということで流していたのですが、いま読んでいる『一億人の英文法』(大西泰斗著)に回答がズバリ出てきました。
英語の受動文には、日本語の「~される」と対応しない場合がいくつかあります。
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(1) My son was born in 1999.(息子は1999年生まれです)
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「生まれる」は be born, bear は「生を与える」という意味だから、受動態 born にして「生を与えられる→生まれる」。ちょっとカンタンでしたね。大切なのは次。
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(2) John was surprised [pleased / delighted / satisfied / disappointed / annoyed].(ジョンは驚いた[喜んだ/大喜びした/満足した/落胆した/腹が立った])
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「驚く」「喜ぶ」など、主語の感情をあらわすのは受動文です。英語では勘定は、外からくるモノ-ある原因が心を動かすと考えるのです(→p244)。「彼は驚いた」が He was surprised と受動文になるのはそのため。ある原因によって彼は驚かされた。ととらえられているのです。
(p.483「受動文を使う思いがけないケース」)
すばらしい。ドンピシャです。
これによると、先の例文は上記引用の(1)で、
bear(生む)なのを受身にして「生を与えられた」→「生まれた」
●tired
tireの(疲れさせる)が受身で「疲れさせられた」→「疲れた」
●exhausted
exhaust(へとへとに疲れさせる)を受身で「へとへとに疲れさせられた」→「疲れ切った」
ということですね。
残ったうちの surprised は(2)の「主語の感情をあらわす」にあたりますが、これもsurpriseの意味が「脅かす」なので、受身にして「脅かされた」→「驚いた」でもあるわけですね。
引用で例示されている各動詞もそれぞれもともと「喜ばせる/大喜びさせる/満足させる/落胆させる/腹が立たせる」といった「させる」系で、英語ではこういった感情的な動詞は「させる」系なので受動文になるわけですね。
う~む、またしてもこの本が溜飲を下げてくれました。
ちなみに、残りの married については、改めてWeblio辞書で確認したところ、marry(結婚する/結婚させる)の過去分詞というわけではなく、married そのものが「結婚している」という形容詞なんですね。つまり「I am happy.」みたいものという。