以前の記事ではオイルランプとの出会いなどについて書きました。
今回はオイルランプの明るさ・暗さについてです。
オイルランプの明るさを決めるもの
オイルランプの明るさは芯のタイプとサイズで決まります。
芯のタイプとサイズ
芯のタイプには大きくわけて平芯と棒芯があります。平芯は文字通り平らな帯状の芯で、棒芯は理科の実験で使うアルコールランプの芯のような断面が丸い紐状のものです。
※あと巻芯という平芯を筒状にして使用するものもあるようですが、わたしは巻芯タイプのオイルランプを持っていないので比較できません。なお、巻芯の明るさについては、後述するサイトの目安によると「平芯の芯幅に比べて芯の幅の半分ほどの明るさ」になるらしいです。
芯のサイズは、平芯の場合、帯の幅を「分」という単位で表しています。1分は約3mmです。一方、棒芯の場合はミリメートル単位で表されることが多いようです。
このサイズが大きいほど炎が大きくなり明るくなります。平芯と棒芯を比較すると平芯は8分(約24mm)のものがありますが、棒芯は、わたしが知っている範囲では、いま普通に買えるオイルランプでは太くても7mm程度のものしか見たことがないので棒芯に明るさを求めるのは難しいかもしれません(実験で使うアルコールランプはもっと太い芯があるようです)。
ご参考までに、下記のページの「灯油ランプの明るさの目安」に、平芯についてどれくらいの電球に相当するのかという記載があります。
実際のところ使ってみての明るさ・暗さ
以前の記事で紹介したフュアーハンドのハリケーンランタンは平芯の4分芯なので、電球でいうとだいたい8Wあるかどうかくらいでしょうか。蛍光灯などについてくるナツメ球が5W程度なので、それよりは若干明るいくらいということですね。
実際使ってみてどれくらいなのかというと、炎が大きめのローソクくらいなので、ランプの近くでなんとか本が読めるくらい、1mも離れると前述のナツメ球レベルです。
最近よく使っているテーブルオイルランプは平芯の8分芯なんですが、さきほどの目安について記載されたページで考えると15Wを超えるくらいになるのでだいぶ明るくなり、半径1~2mくらいはそれなりに照らしてくれる感じです。ま、それでも普段日常生活で使用しているような明るさ(暗くても30Wの蛍光灯など)の電灯に比べれば断然暗いわけです。
光と闇を味わう
ここまで書いてきたように、実際のところオイルランプは暗いです。しかし、そもそも現代の日常生活において、オイルランプに電灯的な明るさを求めるものではないと思います。
むしろ、電灯のなかったころ、この程度の灯りで暮らしていたであろうことを想うと、現代の煌々とした照明などを使って何気なく生活している部屋が、オイルランプを使うことでリアルな炎によって投影される光と闇の「いにしえ」の空間となり、そのささやかな非日常感を味わうことがオイルランプの愉しみ方ではないかと思うのです。