『丸ごと解説!キーボードの知識・奏法がわかる本』(岡素世著)を読みました。
正確に言うとざっと読み流したという感じです。
印象としては、対象読者がイマイチわからない本だったなあ、という印象です。
構成は3章からなり、
第2章 コード演奏
第3章 演奏テクニック
で、
第1章は主にハードウェア、第2章はコードの基本からボイシング、第3章は主にバンドでのキーボーディストとしてのフレージングやTIPS的なものといた感じです。
2章の最初あたりまでは初心者向け的ですが、ボイシングあたりからはそれなりに知識や経験のある人向け、3章のフレージング関連に至っては音声CDなどが付いてるわけではないので譜面しかないので、自分である程度弾ける人でないとわけがわからないのではないかと。
と、全体を通して改めて考えてみると、キーボードの種類やMIDIやシンセサイザーの概要からライブでのTIPSまで広く浅く触れていて、おそらくクラシック系のピアノを習った人が、ロックやポピュラーのピアノをバンドや宅録するときのリファレンス的なものなのかな、と。
巻末には「キーボード用語解説」などもあるので、ピアノが弾ける人がこの本でざっくりキーボードの世界を俯瞰して、興味があるところはさらに別の手段で深掘りしたりするためのものではないかと。
では、まったく読む意味がなかったのかというとそうでもなくて、かなり広い範囲のことが書かれてるのでところどころに「へぇー」と思うところがあるのが面白いところです。
そのひとつが「LOWインターバルリミット」でした。
ときどき左手でコードを弾いていて、ためしに低音域で同じコードを弾いたときになんか気持ちよくないというときがあって、同じコードなのになぜなのか疑問だったんでが、この本によると、
ここに記した幅の音たち、その各音程ではこの高さ以下では弾かないほうがいいよ、ってことです。音が濁ります。
といくつかの2音の和音を例に挙げて書かれていて、自分の疑問は錯覚ではないこと、加えてこの事象には名前もあるんだな、ということを知りました。
たまにこういう本をざっと流し読みするのもいいものです。