『シャンドール ピアノ教本―身体・音・表現』(ジョルジ シャンドール著)を読みました。
この手のピアノ本は、姿勢とか弾き方などの情報を仕入れて、なんとか効率よく練習できないかと自分のピアノ練習の肥やしとしてときどき読んでます。
で、今回の本、わたしにとってはけっこうインパクトありました。
ピアノの場合、弱い薬指をなんとかしようとバイエルとかハノンとかで鍛えたりするわけですが、著者はそんなことをする必要はないと言います。
必要ないどころかそうやってつけた不自然な筋肉があとでかえって害になるとも。
じゃ、薬指はどうするのかというと前腕を使ってカバーするのだと。前腕から薬指にかけてまっすぐ力がかかるようにすればよいのだと。
最初は「ほんとか?」と思いましたが、実際やってみるとこれが有効だということがわかりました。
こんな感じで、いままで常識だと思われていたようなことを、いろいろ理論つきで提示して、実際やってみるとそれが正しいと感じることのオンパレード。
わたしとしてはこれほど体の使い方をわかりやすく説明してくれた本はいままでなかったです。
体の使い方としては、
・五指運動と音階と分散和音
・回転
・スタッカート
・突き
という5つの基本動作を中心に解説されていて、目からウロコの連続。300ページを超える本ですが、この部分と14章の「練習について」だけでも読む価値ありです。
わたしの場合、ひたすら無意識に反復練習を延々とやってしまいがちですが、「もっといろいろなこと意識して練習した方が効率いいぞ」ということを教えてくれる本です。