いまやっている『みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング』(森沢洋介著)の備忘です。
ただの「知る」と「知り合いになる」
昨日からプログラム3の先行リスニングとテキストを見ないリピーティングを開始しました。
そのなかで下記のような文章がありました。
わたしはこれを下記のように訳しました。
一方、書籍の訳文は下記です。
わたしの約は単純に「知った」だけで、書籍では「知り合いになった」という違いですね。
文脈から考えると、結局友達になったんだから、どっちの訳でもたいして違わないようにも思えますが、ちょっとひっかかります。
Weblio辞書などで「get to know」で検索すると、「知り合いになる」という意味の例文がいくつも出てきます。
ただ、下記のように、単純に「知る」ということにも使われている例文もあります。
I want to get to know you.
(私はあなたを知りたいです。)
I could get to know him.
(私は彼について知ることができた。)
でも、これらは下記のようにもできます。
I could know him.
つまりただ「知る」だけなら「get to」がなくてもいいんじゃないかと。
「get to」の気持ち
わざわざ「get to」を付けるということは、そこに話者の気持ちが入っていると推測できます。
で、先日から記事にしている文法書『一億人の英文法』で「get」について調べると、
get は単なる「得る・手に入れる」ではありません。そこには強く動きが意識されています。
~略~
「動いて手に入れる」からgetは「動き」に意味を広げます。「動いている」感じがする-この漠然とした「動き」のニュアンスが get の使い途を爆発的に広げます。体の動きから「到着」。事態の動きから「~するようになる」。
(p.118 GET)
つまり、単純に「知る」だけではなくてそこに「動き」があると考えられます。
先のWeblio辞書の例文は単純に事実を述べるだけの「知る」というよりも、「知る」という状態をつかみ取るイメージ、つまり「積極的に知る」「深く知る」といったニュアンスが入っていると考えられるのではないかと。
で、冒頭の例文の場合もそう考えると「知る」+「~するようになる」で「知り合いになる」ということですね。