NHKでは、しばらく前から「空港ピアノ・駅ピアノ」と称して主に海外のいわゆるストリートピアノに定点カメラを設置して、その演奏と演者のコメントを淡々と流す番組があります。
そこにこの春から(だったと思う)「街角ピアノ」というのが追加されました。
第1弾はシンガポール。場所は駅や空港ではなく巨大植物園。そういうわけで「街角ピアノ」ということになったのかと。
まあ、駅や空港でなくても結局は一大観光施設なわけで、結局は「空港ピアノ・駅ピアノ」と同じように和やかに番組は進みます。
考えてみれば、この番組としてはオーストラリアを除けばいわゆるアジアでは初のロケ地ではないかと。
そのひとコマに、ドイツ在住のシンガポール出身の48歳の女性ピアノ教師が、里帰り中にこのピアノでショパンのノクターン第1番変ロ短調を弾くシーンがあり、そのときのコメント、
(ピアノは)友人と同じ。いい関係を築きたければ長く一緒に過ごすことが大切。最初はうまくいかない。でも、我慢してとにかく練習を積み重ねるの。すると、ある日ピアノと親友になれる時が来るはずよ。
わたしがいまピアノを2年半続けていて、最近特に思うこと「ピアノと友達になりたい」。
わたしがピアノを練習しているのは、たどたどしくても1曲が弾けるようになるためではなく、1曲でもいいから心から楽しんで弾けるようになるということ。
最近ときどきリラックスして比較的うまく弾けたなと感じるとき、ピアノ(電子ピアノだけど)が少し振り向いてくれた気がすることがある。
もちろん、気のせいかもしれない。
でも、それを信じて練習し続けるのだ。ピアノと友達になるために。